はじめに

本法は、ドイツおよびスイスの食品法、ならびにEU規則に収載されています。IDF、IFU、AJIN、MEBAK、OIV、およびVDLUFAで推奨され、DIN、EN、GOST、ISO、NEN、およびNFで標準化されています。AOACにより承認済みです。

測定原理

装置条件

波長：340nm（NADPH）ε＝6.31×mmol^-1×cm^-1
光路長：1.00cm（ガラスまたはプラスティック・キュベット）
温度：室温（＋20℃～）
終量（反応液量）：3.020ml
測定対照：水
試料溶液：0.200～2.000ml
　試料溶液中1～80μgクエン酸含有

試薬

1．グリシルグリシンバッファー：
　　 pH約7.8、約110UのL-MDH、約220UのL-LDH、
　　 および約4mgのNADH（安定性は包装ラベルを参照）
　　 からなる凍結乾燥粉末をそれぞれ含有する
　　 ビン3本からなります。
　　 1のビン1本当たり9mlの蒸留水を加え内容物を
　　 溶解してそのまま使用します。
　　 溶液は4℃保存で2週間、－20℃保存で
　　 4週間安定です。

#2．約10UのCL（安定性は包装ラベルを参照）の
　　 凍結乾燥粉末を含有するビン3本からなります。
　　 ビン1本当たり0.2mlの蒸留水を加え内容物を
　　 溶解した後、室温に30分放置し使用します。
　　 溶解液をピペットで秤取する前にビンを
　　 注意深く回転させ溶解液を均一化します。
　　 溶液は4℃保存で5日間、－20℃保存では
　　 4週間安定です。

追加（キット中には含まれません）

測定試験のコントロールとして、高純度のクエン酸・1水和物 0.4g/lの標準液を別途販売しております。

クエン酸の測定用試薬類はすべて、人に無害です。化学実験室における作業用一般安全性規則に準拠して、使用後は実験室廃棄物として処理できます。包装材料はリサイクルできます。

特長

1. 特異性：
   クエン酸に特異的です。市販のクエン酸・1水和物を測定した場合は、保存期間中に結晶水が蒸発により失われるために含有量は100％以上になる場合があります。結果はクエン酸・1水和物として計算されます。
2. 感度：
   0.25mg/l（ΔA＝0.005;v＝2.000ml;V＝3.020ml）
3. 検出限度：
   0.5mg/l（ΔA＝0.010;v＝2.000ml;V＝3.020ml）
4. 直線性：
   1μg/測定（v＝2.000ml;V＝3.020ml）～80μg/測定（v＝0.200ml;V＝3.020ml）
5. 精度：
   ΔA＝±0.005～0.010吸収単位（Abs.） CV＝約1～3％ 果実ジュース
   　r＝0.095＋0.025×クエン酸濃度g/l[g/l]
   　R＝0.130＋0.054×クエン酸濃度g/l[g/l]
   ワイン
   　＜400mg/l:r＝14mg/lR=39mg/l
   　＞400mg/l:r＝28mg/lR=65mg/l
6. 測定妨害：
   特にありません。
7. 技術情報：
   結果はクエン酸として（推奨）あるいはクエン酸・1水和物として得られます。
8. 酸度滴定により得られた酸度から“トータルのクエン酸”として計算した結果は、酵素測定法により得られた結果と比較することは出来ません。

参考文献

1. Mollering, H.& Gruber, W.（1966）Determination of citrate with citrate lyase, Anal.Biochem. 17, 369-376