醗酵工学における酵素分析の応用
酵素法による分析方法ではアセトアルデヒド脱水素酵素(Al-DH)を利用してアセトアルデヒドを酢酸にする反応(1)とアルコール脱水素酵素(ADH)を利用してアセトアルデヒドをエタノールにする反応系(2)があります。
試料中に高濃度のエタノールが共存する試料ではアルコール脱水素酵素方法では問題があります。
よってこの場合アセトアルデヒド脱水素酵素を用いた分析法が有用とされています。
この反応で生成するNADHを340nmの波長で測定し、アセトアルデヒド量を算出します。
試料の調製では他の分析法に見られるような蒸留操作など煩雑な処理が必要がなく迅速に測定ができます。
また高感度に総アセトアルデヒドを測定することができます。
a)Jaulmes & Espezel法
試料をアルカリ性に調整後、蒸留して重硫酸溶液にアセトアルデヒドを取り、ヨウ素滴定します。
b)3-methyl-2-benzothiazolinone hydrazone hydrochlorideと酸化剤、塩化鉄を用いる方法
これら試薬とアセトアルデヒドが反応して、生成した有色化合物を比色計で測定します。
この方法は高感度ですが、阻害物質の影響を受けることがあります。
試料処理の場合、重硫酸と結合したアセトアルデヒドは試料をアルカリ性に調整して
遊離アセトアルデヒドにして総アセトアルデヒドを測定します。
c)ピペリジンとニトロプルシッドナトリウム試薬を用いる方法。
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