酵素測定法キット3種(F、E、E-Liquid)の違いについて

酵素測定法キット3種(F、E、E-Liquid)の違いについて

F キットはオリジナル製品です。(ディスコンのため販売終了)

1980 年代にベーリンガーマンハイム社によって開発され、それ以来、本シリーズは品質、信頼性においてスタンダードとなっています。

その後、同社はロシュダイアグノスティックス社に買収され名称は変わりましたがキットの中身は変わっていません。すなわちこれらキットにはベーリンガーマンハイム社の60 年以上にわたる酵素の製造経験が酵素製造のノウハウとして継続され現在に至っています。

E キットはジェネリック製品です。

E-キットはF-キットの測定原理と同一のものが多く、キット構成もよく似ています。しかしロシュ社製造品ではないため(F-キット、E-キット、E-キット Liquid 全シリーズの輸入取扱元・R-バイオファーム社製)、原料(酵素)の由来や製造プロセスはF-キットと同一ではありません。測定結果はF-キットと同等です。

E キット Liquid は最も新しい酵素法測定試薬です。

E-キット Liquid は、試薬がすべて溶液で提供されているためそのまますぐ使用可能で、有効期限まで安定的にご使用いただけます。従って、E-キット Liquid は以下のことが利点として挙げられます。

  1. すべての試薬がそのまますぐ使用できるため、試薬調製時間の節約となり、また間違いがありません。
  2. 試薬は開封後もコンタミさせなければ有効期限まで安定であるため、バイアルを凍結させることなく試薬の最後の一滴まで使用することも可能で、ロスがありません。
  3. 試薬はそのまますぐ使用可能で機器に直接セットできるため、自動分析装置に最適です。

その他、パッケージングによる違いもあります。

F-キットでは通常、コントロール液が付属しています(付属していないキットもありますので同封の使用説明書を確認してください)。

E-キットシリーズ(E-キット、E-キット Liquid)では、コントロール液は別売品としてのお取り扱いとなっております(“スタンダード”と呼ばれています)。スタンダードは1キットでE-キット数箱使用するのにも十分な容量です。

酵素法キット3種の製品比較表

F-キット(ロシュ純正) E-キット(ジェネリック) E-キット Liquid(最新製品)
測定原理 多くの国際規則のreference methods として採用 F-キットとほぼ同一。
測定結果はF-キットと同等です。
F-キットと異なるものもある。
測定結果はF-キットと同等です。
試薬 一部凍結乾燥されており、
蒸留水での再溶解が必要。
一部凍結乾燥されており、
蒸留水での再溶解が必要。
(原料の由来や製造方法がF-キットと異なります)。
液体として調製されているため、そのまますぐ使用可能
(原料の由来や製 造方法がF-キットと異なります)。
溶解後の
安定性
数日~数週間 数日~数週間 開封後も有効期限まで安定
スタンダード ほとんどのキットに付属しています。
(同封使用説明書をご確認ください)。
キットに付属していません。
別売品としての取り扱いです。
キットに付属していません。
別売品としての取り扱いです。